ある時、ドラゴンを8匹も殺したと言うつわものがやって来ました。
たくましい体をみせびらかし、
「ドラゴンの炎に焼かれ、その血しおをあびたおれ様だ。いすにすわるごときは、たやすいことだ!」
と、せせら笑って、王女の窓の下に、どっかり、こしをおろしました。
みんな、たいそう、期待しましたが、50日後には、いすをけとばしました。
「ええい、ばかばかしい! あんな女、どうせ、厚化粧で、ごまかしているに決まっておる!」
よほど、悔しかったのでしょう。いすを地面にたたきつけてこわし、のっしのっし、帰って行きました。