白鳥の羽の王子
そんなこんなで、挑戦する王子や、騎士たちは、めっきり、少なくなりました。
けれども、王女の美しさを聞きつけて、また、ひとり、王子がやってきました。
白鳥の羽をぼうしにかざした、まだ、ひげも生えそろわない、とても若い王子です。
王子は、窓辺にすわる王女を一目見るなり、すっかり、恋をしてしまいました。
お城に入った白鳥の羽の王子は、王様に、うやうやしく、言いました。
「どうか、王女様と結婚させてください」
王様は、若い王子を、疑い深い目で、じろっと、ながめてから、かたわらの王女に、目配せしました。
王女はうなずいて、
「100日間、いすにすわり通すことができたら、私は、よろこんで、あなたの妻になりましょう」
と、言いました。