おにぎりと神様(1/8)

文・きゅりあ   絵・柊京佳

だれもがそのことに気づかずに、おにぎりはコロンコロンと、どんどんと、草花があるところへと転げて、さらに先の川辺のそばでやっと止まりました。
(ん? 変だぞ!)
神様におそなえされるはずだったのに、今、なぜか土の上にいます。
おにぎり君は、そっと目を開けました。
おにぎりと神様1あれれ?
ここは、おそなえをする、おさらの上ではありません。
おにぎり君はこまってしまいました。
神様に食べられるのがおにぎり君の役目なのです。
でも、自分で動いてもどるわけにはいきません。
もう少し待ってみよう。そう思って おにぎり君は目をとじました。
きっとだれかが見つけてくれる。

でも、次の日になってもだれも気づいてくれませんでした。
さてはて、おにぎり君は、かんがえました。
神様に食べてもらえなかったら、この先、どうやって生きていけばいいのだろう?
その先の生き方なんて、おにぎり君は知りませんでした。
だれに聞けばいいのかもわりません。
それに、神様に食べていただくおそなえ物です。
おいそれと、人に食べてもらえるものではありません。
なやんだすえ、おにぎり君は、はたと、思いつきました。

きゅりあ について

福岡県生まれ。仕事の合間に詩や物語を書いています。 童話は優しくてほっこりするようなものを目指していますが、 まだまだ、文章は勉強中です。 いつか、イラストも勉強して、自分の描いた絵で童話を作りたいです。 blog では、詩と物語を載せています。 良かったら遊びに来てください。 blog:パンラ国物語と詩集の欠片たち

柊京佳 について

(ひいらぎ きょうか) もの心ついた時からお絵描き大好き!たくさんの絵本に囲まれて子育てする中で、実際の生活の中にもある素晴らしい物語をいっぱい発見!2015年からブログやトークライブでそれをお伝えしています。 ブログ:はぴゆるの森屋 虫や山や木との不思議なやりとり書いてます。