おにぎりと神様(3/8)

文・きゅりあ   絵・柊 京佳

しばらく行くと、今度は水たまりにいた花のタネに声をかけられました。
「おにぎりさん、おにぎりさん、助けてください!」
「どうしたの?」
「水たまりにういて、根が下ろせないの。これでは、お花がさかせないわ」
みると、水たまりは大きくて、かわくのに、時間がかかりそうです。
おにぎりと神様3「それは、かわいそうに・・・。いいよ! 助けてあげるよ !」
おにぎりはすぐに両手をさし出すと、花のタネをすくって助けてあげました。
「ああ。助かった~。おにぎりさん、ありがとう。ねえ、ねえ、おにぎりさん、このあたりでお花がさいているところはないかしら?」
「このあたりでは、見かけないな。神様のいるところなら、もしかしたらさいているかもしれないよ」
おにぎり君は今までのことを話しました。

「まあ、すてき。きっと、神様のところなら、いっぱいの花がさいているかもしれないわ。私もいっしょに連れて行ってくださいな」
「いいよ。いいよ。」
おにぎりはこころよく引き受けました。
「わ~い。ありがとう」

きゅりあ について

福岡県生まれ。仕事の合間に詩や物語を書いています。 童話は優しくてほっこりするようなものを目指していますが、 まだまだ、文章は勉強中です。 いつか、イラストも勉強して、自分の描いた絵で童話を作りたいです。 blog では、詩と物語を載せています。 良かったら遊びに来てください。 blog:パンラ国物語と詩集の欠片たち

柊京佳 について

(ひいらぎ きょうか) もの心ついた時からお絵描き大好き!たくさんの絵本に囲まれて子育てする中で、実際の生活の中にもある素晴らしい物語をいっぱい発見!2015年からブログやトークライブでそれをお伝えしています。 ブログ:はぴゆるの森屋 虫や山や木との不思議なやりとり書いてます。