「神様、さむいのですか?」
「そうじゃ。ここは北風がとても強くてな。そら、ほこらもこわれそうになっているところがあるんじゃ・・・」
ほこらがこわれると聞いて、おにぎり君は、それはたいへんだと、ゴロン、ゴロンと動いて、ほこらの北がわにころげていきました。
すると、風がおにぎり君の体にあたって、ほこらに風があたらなくなりました。
「おお! おお! 風が止まったぞ。止まったぞ。おまえのおかげで、止まったぞ!」
神様はおおよろこび。うれしくなっておどりだしました。
「やっほほ~い! やっほほ~い!」
役に立てたのでうれしくなったおにぎり君も、神様につられておどり出しました。
「ゴロロンロ~ン。ゴロロンロ ~ン」
すると、今までだまって いたドングリも、花のタネも、カキのタネたちも、楽しくなって歌いだしました。
「ゴロロンロ~ン、ゴロロンロ~ン」
神様はおどりながら、言いました。
「おまえ様、どうだろう? できればずっとそこにいて、風よけになってもらえまいか?」
おにぎり君は、おにぎりとしては、食べてもらうことができませんでしたが、神様のお役に立てることがあるなんて、ゆめにも思ってはいませんでした。
「もちろんです。もちろんです。いつまでも、ここにいましょう」
「おお! おお! こいつはいいな! こいつはいいな!」
神様はさらに、おどりながら歌いました。
「やっほほ~い! やっほほ~い! 楽しいなったら、楽しいな」