おにぎりものがたり(2/3)

文と絵・伊藤 耀

絵本「おにぎりものがたり」第2話6場面「おにぎりは、いろんな おもいでを つくってくれる、とくべつな たべものね。わたしも わかいときに、おともだちが にぎってくれた おにぎり、いまも わすれられないわ」
うさかあさんが、なつかしそうに、はなします。

「ともだちの おへやで じょしかいを したの。おんなのこだけの パーティね」
「うんうん。かあさんも おんなのこだったことが あるんだね」
うさとうさんが、うさに むかって、ぱちんと、かためを つぶります。

「みんなで ごちそうを もちよって、のんだり、たべたり。もう おひらきってときに なって、その おともだちが ザーサイの おにぎりを つくって、みんなに ふるまってくれたの。ザーサイの おにぎりって、そのとき、はじめて たべたんだけど、ほんとに おいしかったわ」

伊藤 耀 について

(いとう ひかる)福井県福井市生まれ。福井市在住。10代からうさぎのうさとその仲間たちを中心に絵画・イラストを描き始める。2019年からアールブリュット展福井に複数回入賞。2023年には福井県医療生協組合員ルームだんだん、アオッサ展望ホールその他で個展開催するほか、県内アールブリュット作家展に出品するなど、活動の幅を広げている。現代作家岩本宇司・朋子両氏(創作工房伽藍)に師事。HP:絵とおはなしのくに