おばけのことを知って友だちになろう♪

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おばけと友だちになる方法
レベッカ・グリーン 作

岸本佐知子 訳
福音館書店 2021年9月5日刊行

◆子どもたちにとって大人気のキャラクター! おばけ!

今回ご紹介するのはおばけと友だちになれる方法が書かれたとてもユニークな絵本です!
おばけと友だちになる?・・・一見ぞっとする怖いことのように感じられるかもしれませんが、この絵本に出てくるおばけはとっても可愛らしいんです。
こんなおばけがいたら友達になりたい!と思えてしまうほど。
そして、おばけも実は人間と同じように友だちを欲しがっているんです。

そんなおばけと生涯続く友情を手にするための正しい付き合い方がこの絵本を読めばすぐにわかります。
まるでおばけの生態について書かれた図鑑を見るような感覚でも楽しめるのもこの絵本の特徴です。
おばけの見つけ方から始まり、おばけがどうかをきちんと見極めるチェック方法、おばけにしてはいけないこと・・・など、それらが一つひとつ丁寧に説明されています。

私たちがついついやってしまいがちな失敗もあって、そこがちょっとしたユーモアを感じ、笑いを誘います。
特に私が印象深かったのは、おばけの食べ物やレシピが紹介されている場面。こんなものを食べるの!と驚くようなものばかり! でもそれがなんとも言えず面白いんですね。
きっと子どもたちも興味津々で見入ってしまうのではないかなと感じます。

さらに人間が子どもから大人に成長した後もおばけと仲良く過ごすための方法まで書かれてあります。
ここまでおばけとの付き合い方を考えたことなかった!と作者のレベッカ・グリーンさんの想像力の豊かさ、心の温かさ、着眼点の独創性が本当に素敵だなと思いました。
また、モノクロと赤を基調とした絵の色使いも彼女ならでは個性が光ってとても目引きます。

こんなおばけがいたらいいな、私も友だちになりたいなと心から思わせてくれるリアリティと、本当に友だちなれるかもという夢を与えくれるのがこの絵本の素晴らしい点です。
子どもたちの世界をより豊かにし、想像力を育てるきっかけにもなります。

この絵本を読んだら、もしかするとすぐにおばけ探しから始めてみたくなる子もいるかもしれませんね。
おばけが好きな子も苦手な子にもぜひ読んであげてください。
おばけがもっと親しみやすて可愛い、身近な存在に感じられるはずです。

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 著書に『おへそはなにしてる?』(クリエイターズ絵本「YOMO」) ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】