さっき下りたバス停の所で道路をわたり、松林の中を行くと、目の前に砂浜が広がりました。
キラキラとまぶしい海。
人びとは、きゃあきゃあ、およいだり、もぐったりしています。
うき輪を使ってのんびり浮いている人もいれば、砂浜にねそべっている人もいます。
沖には船やセーリングボードも浮かび、カモメが、すいっと、飛んで行きます。
「行こう!」
大介はサンダルをぬぎとばし、海に向かって走り出しました。
美里と新一もそれにならいます。
ちゅんちゅんに熱い砂をはだしでかけぬけて、海に入ると、美里は、初め、その冷たさにふるえあがりました。が、じきになれて、バチャバチャ、およぎ出しました。
次つぎに波が来て、美里の体を、ふんわり、持ち上げます。
かと思えば、大波が来て、頭から、ざぶんと、塩水をかぶりました。
「あははは」
両手で、べしゃべしゃ、顔をぬぐって、美里は大笑い。
新一も、大介も笑っています。
「大ちゃん、だれ?」
そばでおよいでいた女の子たちが声をかけてきました。
「いとこのみーちゃんとしんちゃん」
「へえ。どこ小?」
「中央小・・・」
美里は小声で答えます。
「あ、そこ、知ってる! マリがいるところやもん!」
女の子たちは、すぐに、美里たちを遊びに加えてくれました。