穴があったら、入りたい。
けれど、ないから、なるべく、顔を伏せ、視線を合わせないようにして、ソース焼きそばを食べる。
甘くて香ばしい匂いがする。
おいしいソース焼きそばだ。
インスタントで、具はなにも入ってないけど、それ故に、パラパラとふりかけられた青のりの風味が活きてる。
それに、まあ、ちょっと固めの麺がなんとも、なんて現実逃避している場合じゃない。
「あの、」呆れてますよね?
「なに?」
「焼きそば、おいしいです」じゃないだろ?
「焼きそば、初めて作った」
「とっても、おいしいです」じゃないって!
「もうひとつ、作ろうか?」
「はい! お願いします!」だーかーらー!