外は、小学生や中学生、通勤の人が行き来しています。
車は列をなして、信号が青になるのを待っています。
「9時32分の快速電車に乗れそうだな」
懐中時計でじこくをたしかめると、たくさんの人に後ろから追いぬかれながら、できるだけ急ぎ足で駅に向かいました。
券売機で切符を買い、ホームにたどり着いたときには、電車がやってくる十分前になっていました。
なくさないように、切符を上着の右がわの内ポケットにしまうと、ベンチでひと休みしました。
放送がかかり、快速電車がやってきました。
「席が空いておると良いが」