ふしぎなぴりーこぱん(6/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

「でもね、あんこちゃんがあいたいとおもってくれたら、またすぐあえる」
「わかった! ずっとまってる!」
あんこちゃんは、なみだをふいて、そう言った。

「ぼくたちも、バイバイしなくちゃね」
キャンディチーズくんが、ハートちゃんにむかって言った。
ハートちゃんは、あんこちゃんにむかって言った。
「ぴりーこぱんが帰ったら、わたしたち、絵にもどっちゃうんだ」
「そっか・・・」
あんこちゃんの目から、またなみだがこぼれそうになった。
なみだがポトンとおちるすんぜん、ぴりーこぱんがおおごえで言った。
「ハートちゃんとキャンディチーズくんも、ぴりーこぱんといっしょにいこう! そしたらまたあんこちゃんとあそべるから!」

あんこちゃんのなみだは、おどろきでスッとひいた。
「そんなことできるの?」
「できるよ! ぴりーこぱんは、なんでもできるんだもん」
ぴりーこぱんは、ハンバーガーのすがたでエッヘン!とむねをはろうとしたが、またパンがずりおちそうになってあわててやめた。

「ありがとう、ぴりーこぱん!」
ハートちゃんがうれしそうにおれいを言った。
「やったあ! まだまだみんなとあそべるんだね」
キャンディチーズくんがおどり上がって言った。

「それならわたし、バイバイできる。さびしくても今はがまんする」
あんこちゃんが言った。
「あんこちゃん、また時々、わたしの絵をかいてね。そしたら、あんこちゃんのことが見えるから」
「わかった、やくそくする」
あんこちゃんとハートちゃんは、ゆびきりげんまんをした。

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。