ぼくたち エージェント!(4/4)

文・ひなたのんき  

おひさまが、オレンジ色になったころ、ぼくたちは、やっと、おうちに、かえってきた。
「さくせんは、せいこうだよ」
ぼくは、しれいかんに、エヘンとせきばらいしながら、ふくろをさしだした。

「ふふ、ありがとう」
しれいかんは、ニコニコしながら、ふくろの中をのぞいた。じゃがいも、たまねぎ、にんじん、それと・・・。
「あら・・・? このおかしは、なぁに?」
そう。ふくろの中には、ぼくと弟がだいすきな、ヒーローカードのおまけがついたチョコレートクッキーのおかし。

「それは、ほら、さくせんせいこうの、ごほうびってやつさ」
このごほうびがあるから、エージェントはやめられない。あしたはどんな、ひみつのしれいをうけるか、たのしみだ。


Special Thanks to いらすとや

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。