ぼくたち エージェント!③~サンタクロースはいないのか?(1/6)

文・ひなたのんき  

エージェント③1手紙ぼくのうちでは、クリスマスが近くなると、うちのポストに、サンタさんへのお手紙をいれておく。そうすると、サンタさんが、そのお手紙をもっていってくれるのだ。
そして、クリスマスのあさには、お手紙にかいたものが、ちゃんとまくらのよこにおいてある。
今年も、ぼくたちは、おてがみにほしいものをかいて、ポストに入れていた。

テツヤは、ぼくたちの話をきいて、
「ぎゃはははははっ! ばっかだ~、こいつら!」
おおわらいした。
「なんだよ。何がおかしいの?」
ぼくは、ムッとした。すると、テツヤは、信じられないことを言った。
「ば~か、サンタなんて、ほんとは、いないんだぜ。プレゼントはな、父ちゃんとか、母ちゃんが、夜中にこっそり、おいてるんだよ。おまえら、まだサンタなんて、信じてるんだ。ば~~か!」
テツヤは、言いたいだけ言って、わらいながら、マンションの方に走って行った。

ひなたのんき について

東京都出身です。空と、水のある景色と、物語の世界が大好きです。 絵は描けないけど絵本が描きたいので、絵本の文章を編集さんに見てもらったりしています。 好きな絵本作家は、かがくいひろしさん、長谷川義史さん。 好きな童話は、寺村輝夫さんの「ぞうのたまごのたまごやき」、「こまったさんのオムレツ」。 好きな物語の出だしは、安房直子さん作「きつねの夕食会」の「新しいコーヒーセットを買ったので、きつねの女の子は、お客をよんでみたくてたまりませんでした」。 こんな風に人に衝撃を走らせる一文を、自分もかきたいと思います。