サンタさんは、クリスマスイブの夜にくる。
ぼくたちは、その日まで、いっしょうけんめい、さくせんを立てた。
「まず、夜、ねないようにしなきゃいけない。つよし、がんばれるか?」
「う~ん・・・がんばる」
つよしは、そう言ったけど、自信がなさそうだ。
何か、ねないための、さくせんを、考えなくちゃ。
「そうだ。コーヒーだ。コーヒーをのめばいいんだ」
うちでは、あさ、ママがコーヒーをいれる。コーヒーをのむと、ねむくならないんだって言ってた。
パパとママは、ぼくたちには、コーヒーをのませてくれない。夜、ねむれなくなるから、ダメだって言う。
でも、今、ぼくたちは、夜、ねないようにしたいから、コーヒーをのめばいい。
「きかいの方は、よく分からないけど、インスタントのやつなら、ぼくにもできる」
ママは、いつもは、コポコポコポって、コーヒーが入るきかいを、つかうんだけど、いそがしい時は、インスタントにする。
コーヒーのこなをコップにいれて、ポットのおゆをいれるだけ。それなら、ぼくにもできる。
「よし。クリスマスイブの夜、ぼくたちは、ママに見つからないように、コーヒーをのむ。それで、ねないで、サンタさんをまつ」
そこまでは、きまった。