「にいちゃん・・・。しれい ないのに、えーじぇんと、いいの?」
つよしが泣きながら聞いてきた。
自分が泣かされているというのに、変なところに気がつくやつだ。
「ママ・・・じゃない、しれいかんはぼくに、『つよしのめんどう、よ~く見てやってね』っていったんだ。だから、おまえがとられたチョコレートをダッカイするのは、ちゃんと しれいがあるんだ」
ぼくがそう教えてやると、つよしはちょっとニコッとした。
つよしはあまえんぼだから、ぼくがめんどうみてやるとよろこぶんだ。
「ようし、まず、テツヤをみつけるぞ。それから、ダッカイのさくせんをたてるんだ」
ぼくたちは、テツヤが逃げた方へ行ってみた。
広場のおくの道に入っていったはずだ。だけど、テツヤはもうそこにはいなかった。
「テツヤのやつ、どこへいった?」
ぼくは、考えた。
りっぱなエージェントは、考えるのも得意だ。
てきがどこに行ったか。こういう時は、自分もてきになったつもりになるのだ。
ぼくは、テツヤのつもりになってみた。