「アイス、たべようか」
パパが言ったので、レナは、プッとほおをふくらませ、ついでに、プイッとせなかをむけてやりました。
「やあよ。こんなとこで。ゴリラのにおいが、プンプンしてるじゃない。アイスが、ゴリラあじになっちゃう」
「そりゃ、しかたないよ。ゴリラのオリの、まえだもの。だいじょうぶ、おいしいよ」
「いやったら、いや。だから、どうぶつえんなんて、やだっていったのに」
どうぶつえんは、どうぶつのにおいで、いっぱい。
白いバニラアイスが、ちゃいろくなっちゃいそうなにおいで、いっぱい。
ゴリラのにおいがしみついたアイスなんて、ゴリラのあじがするに、きまっています。
「まあまあ、きげんなおして、ウホ。ゴリラあじのアイスも、おいしいよ、ウホホ」
パパったら、ゴリラのまねをして、レナをわらわせようとしています。
「いやだってば!」
いきおいをつけて、ふりかえったら・・・。