「あなたがうちのパパを、ゴリラにしたの?」
「なんですって。ゴリラ? とぉんでもない」
「でも、あなた、わるいまじょでしょ?」
「はい。アリマ・ジョーです。いい名でしょ」
カピバラは、ねそべったまま、とくいそうに、はなをクイッとあげてみせました。
「なぁんだ、名まえなの?」
にあわないわねぇ、とは言いませんでした。
「じゃあ・・・わるいまじょは? いないの?」
「さあ。きいたことありませんねぇ」
こまりました。まじょはいないみたいです。
「ねえ、あたし、パパをにんげんにもどしたいの。ゴリラあじのアイスをたべて、ゴリラになったの。どうすればいいか、しってる?」
すると、カピバラは、
「ゴリラあじのアイス ゴリラになったにんげんあじのアイス にんげんになる」
うたうようにつぶやいて、ふああ、と大きなあくびをすると、そのままねてしまいました。