もうすぐ、夜が明けます。
「わわわわん」
じろうが目をさましました。
「ポチったら、うるさいなあ」
にわにでてみると、小さな犬がポチの水をのんでいます。
とてもつかれているようです。
茶色いみじかい毛にどろがいっぱいくっついています。
「どこからきたんだろう。おいで」
すると、しっぽをブンブンふって、とびついてきました。
じろうがだっこしました。
「わあ、ちっちゃくてかわいいなあ。ポチの赤ちゃんのときみたい。リュックサックしょってるんだね。あれ、てがみももってるの?」
くびわに、小さくたたんだ紙がむすんであります。
じろうは、まだ漢字がよめません。
となりのへやで、じいちゃんがねています。
じろうは、いそいでおこしにいきました。