じろうは、こわいのをすっかりわすれてききました。
「おじさん、トムになにをあげたの? トムはうちにかえったの? おじさんはだれ?」
こわい人はしばらくじろうをみつめていましたが、やがておごそかな声でいいました。
「トムにやったのは護符じゃ。トムの主人のやまいはまもなくなおるであろう。あんぜずとも、トムはぶじ、主人のもとにかえる」
じろうは、あんまりいみがわかりませんでした。
「じゃあ、おじさんはゴホンゾンサマなの?」
その人がこたえようとしたときです。
文と絵・中西恵子
じろうは、こわいのをすっかりわすれてききました。
「おじさん、トムになにをあげたの? トムはうちにかえったの? おじさんはだれ?」
こわい人はしばらくじろうをみつめていましたが、やがておごそかな声でいいました。
「トムにやったのは護符じゃ。トムの主人のやまいはまもなくなおるであろう。あんぜずとも、トムはぶじ、主人のもとにかえる」
じろうは、あんまりいみがわかりませんでした。
「じゃあ、おじさんはゴホンゾンサマなの?」
その人がこたえようとしたときです。