ゴホンゾンサマ(3/3)

文と絵・中西恵子

それから1か月がたちました。じろうが、じいちゃんとポチのさんぽにいこうとしたときです。
「わわわわん」
「わ、びっくりした。ポチ、どうしたの?」
むこうから小さな犬が走ってきました。

「トム? トムだね。またきたの?」
トムは、しっぽをぶんぶんふってやってきました。

「トム、ひさしぶりだね。あれ、またてがみをもってるんだね」
じろうは、トムのくびわにむすんであるてがみをとりました。
「じいちゃん、よんで」
「おや、いつかの子犬じゃないか。どれどれ」

『トムをじんじゃにつれていってくれたかたへ。
いつぞやは、どうもありがとうございました。おかげさまで、わたくしの病気もすっかりなおりました。お礼をトムのリュックにいれておきました。
どうぞ、おうけとりください』

中西恵子 について

愛知県新城市生まれ。 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。 第6回小学館童画新人大賞入賞。 絵本に『かえる』『ヘキサ、もりへいく』『トチノキのひっこし』『じろう、ひとりででんしゃにのる』など(以上福音館書店月間絵本「こどものとも」シリーズ、現在品切れ)、 さし絵に『たからものくらべ』(杉山亮作、福音館書店)、『点字の世界へようこそ』(黒崎惠津子文、汐文社)がある。 「らしさ」を追いかけて、七転八倒中。