「そうなの。わたしがどんなにカワイクオシャレをしていても、みんなそろって、『今日もステキな耳ですね!』なのよ。ちっとも耳以外を見てくれないの」
「あらまぁ、それはかなしいですね・・・」
「だから、この耳にまけないくらいカワイクしてちょーだい!」
「かしこまりました」
とは言うものの、サワガニはハサミをうごかしながらも考えこみました。
〈長い耳は、ウサギさんの一ばんのとくちょう。この耳をけしてしまっては、ウサギさんらしさもなくなってしまうし・・・。さて、どうしたものか〉
考えながら、ふとカガミを見ました。
するとカガミに、後ろの花びんと、そこにいけられている花がうつっていました。