5 ミエンダー氏、映画を見る
「ほほう、すると、あなたは、遠いキエール星から、はるばる、地球を観察しに、やって来たってわけですな」
コスモ博士はミエンダー氏の話に大興奮!
「これはすぐにでも世界中の科学者に知らせなくちゃ!」
「だめですよ!」
ハツさんがさけびました。
「どうしてですか、お母さん?」
「どうしてもです。ミエンダーさんは、私のお友だちなんだから。勝手に、世界中に知らせるなんて、許しませんよ。第一、そんなことをしたら、ミエンダーさんが、マシュマロどろぼうで、警察につかまってしまうじゃない!」
「気になっていたんですが、どろぼうって、なんですか? ハツさんが、たびたび、ぼくを、そう呼ぶんですが・・・」
ミエンダー氏が口をはさみました。
「おお、それです」
コスモ博士は、これ幸いと、話題を変えました。
「あなたは、どうして、マシュマロばかり、ねらったんですか? 地球には、ほかに、もっと価値のあるものが、いっぱい、あるでしょうに」
「もっと価値のあるもの?」
「ええ。水とか、金とか、レアメタルとか・・・」
「私たち、キエール人は、何でも、自分たちで、作り出すことができるので、地球にあるもので、私たちが必要なものは、何もないんです。ただ、マシュマロだけは、こんなうまいもの、食べたことがない! まったく、すばらしいおいしさです!」