ミエンダー氏が来てからというもの、ハツさんは、パトロールも忘れて、
「これを見て、地球のことを、もっと、勉強しなさいね」
と、ミエンダー氏に、好きな映画を見せまくりました。
でも、大のSFファンのハツさん。ミエンダー氏に見せる映画は、「星間戦争」「わく星からのしんりゃく者」「アンドロイドの逆しゅう」などなど、宇宙ものばかり。
「ほほう、すごいですねえ! だれですか、あの人は? ドカーン!! バキューン!! 砲撃(ほうげき)の下を、走る、走る! けが人や子供たちを助けるために! ゆうかんだなあ!」
ミエンダー氏が、いちいち、感動するので、ハツさんはうれしくてたまりません。
「あれはクルーガー大佐よ! じゃ悪なゴブリン星人から、地球の平和を守るのよ!」
ミエンダー氏は、アーモンド形の目を、グルグル、回して、次つぎとくり広げられるアクションに見入ります。
「今度の若者は、黒マントの怪人と、光る剣で戦っていますね! がんばれ!」
「マスター・キンコンカンよ。ヒックス騎士団の一人なの。相手は宇宙征服をたくらむダークマター卿(きょう)。実は父なのよ!」
でも、ハツさんは、午後8時を過ぎると、どうにも眠くなって、こっくり、こっくりし始めます。
「ああ、まぶたがくっつきそう。ごめんなさい、ミエンダーさん。この続きは、また、明日ね」
そうして、ハツさんがねてしまうと、今度は、コスモ博士が、そっと、やって来て、ミエンダー氏と、夜がふけるまで、話しこむのでした。