ところで、映画をいくつも見ているうちに、ミエンダー氏が首をかしげ始めました。
「いったい、どうして、宇宙人たちは、みな、あんな乱暴を働くんですか?」
「地球を乗っ取るためよ。でっかい宇宙船で、ドドドって、やって来て、地球と人類を支配するの。水や、食べ物をうばい取るのよ」
ハツさんは解説します。
「宇宙船で、はるばる、ドドドって、やって来るですって? そりゃあ、また、ずいぶんと時間がかかるでしょうねえ。それじゃあ、水とか、食べ物を取ったって、母星に帰るまでに、全部、飲んだり、食べたりして、無くなっちゃうじゃないですか? そしたら、また、地球に引っ返して来るんですか? ずいぶんと、むだだなあ」
ハツさんは、ちょっと、考えます。
「だからね、ワープして、時空をこえるのよ。ほら、あんな風に、ズワ~ン!って」
映画では、ちょうど、巨大宇宙戦艦が、ワープして、ズワ~ンと、消えたところでした。宇宙空間は、目には見えないけれど、曲がっているんだそうですよ! ワープというのは、それを利用して、遠い所を近道のトンネルで結ぶこと。
「ああ、やっぱり! そうですよねえ、ワープを使わなくちゃ、地球にたどりつく前に、行きだおれになっちゃいますよねえ」