子どもに性のこと、自分の身体を守ることを伝える

◆受け入れられやすい印象に

最後の締めくくりのメッセージとして、お互いの身体を大切にするために相手に気持ちを聞き、自分の気持ちを伝える大切さを込めています。
全体を通して非常にわかりやすくまとめられていて、伝えたいことをすべて網羅していると感じられました。

作者の遠見才希子さんは、産婦人科医をされていて、大学入学後「もっと気軽に楽しくまじめに性を考える場をつくりたい」という思いから性教育活動を始め、全国各地で講演会もされているそうです。
長年の活動から得た知識や経験をもとに、絵本で性のことを見事にまとめられている点が素晴らしいと感じました。

佐々木さんの描く色合いのはっきりした可愛らしいイラストとの組み合わせは、受け手である子どもたちに重くなり過ぎず、受け入れられやすい印象にもなっています。(次ページに続く)

えもり なな について

江森 奈々(えもり なな)1985年神奈川県生まれ。千葉県在住。幼少期より母から良質な絵本を与えられて育つ。幼い頃から絵を描くことが得意で、小学生の頃は漫画を描く。中学生になると美術部に所属し油絵を始める。灰谷健次郎の「兎の目」に感銘を受け、10代は日本や世界の児童文学を読みふける。現在、保育士をしながら絵本や童話、紙芝居の創作、読み聞かせを行っている。画家・イラストレーター、モデルとしても活躍中。絵本は1500冊以上読破。2023年be京都にて初のプチ個展を開催。パレットクラブスクール19期絵本コース卒業。トムズボックス2019冬季ワークショップ修了。 『絵本作家になるには、絵が描けないと無理ですか』(CATパブリッシング)の挿絵を一部担当。 ●YouTube:【なないろ本屋/7's BOOKSHELF】 ●Instagram:【nana_museum】