最後にある「僕は思わずくしゃみをした」という最後の文によって、一気に雰囲気がやわらぎ、現実の世界に引き戻される。その体験が非常に面白いと感じました。
まるで一時的に宇宙を旅してきて、人間が抱える孤独の正体を知ろうとその根源に迫った瞬間、また普段の日常に戻される、そんな感覚です。
一遍の詩を触れることででそのイメージの世界にどっぷりとつかりきる。そしてそこから再び帰ってくる、そんな不思議な体験ができました。
詩は読者の背景、過去の経験、性格、感受性などによって、同じ文章を読んでも何を受け取るのかは異なります。
それぞれ持つ自分の心の世界が映し出される、まさに詩はそのトリガーとなってくれます。つまり、自分の内なる世界を覗きに行く体験となるんですね。現実の世界から一歩外に出て、宇宙的な視点を持ってみたり、何か一つのことをを深く考えていくことで見えてくる世界があります。詩を通して非日常を味わう、それも人生を豊かに楽しむ醍醐味です。
ぜひこの作品を通して、皆さんにも詩と絵の両面から何か受け取るものを感じ、自分の内なる世界を旅していただけたらと思います。