弱くなりたい(3/4)

文・中村文人   絵・中野愛久美

「はい、飯田橋だ。なに、ナラ山に今度は、モグラかいじゅうモゲラノドンが!?」
「大変だ、行かなくちゃ!」
「ハチくん、待つんだ。このウエアを一度着てしまっては、すぐにぬぐことはできない。今の君にはかいじゅうを相手にするのは無理だ」
「だいじょうぶです、博士。戦わずに、おとなしくさせてみます!」

「それはきけんだぞ、ハチくん」
「ぼくにまかせてください!」
もう、ぼくは走り出していた。
「いいかー、ハチくーん。万一のときは、せなかのボタンをはずすんだぞ。ウエアがぬげて、大きく変身できるからなー」
博士の声が聞こえた。