あのあとは先生に、家に帰ってからはお父さんとお母さんに、こっぴどく叱られた。学校から家に連絡があったらしい。
でも、そんなのなんでもなかった。
先生にもお父さんにもお母さんにも、
「ごめんなさい、ぼくが悪い。もう二度としません」
これだけをくり返しいい、あとは黙っていた。
ぼくがもっとも気にしているのは、べにちゃんだ。
べにちゃんになんて話そう。べにちゃんは、ぼくのことひどく怒ると思う。・・・それだけならまだいい、このことを知ったら、べにちゃんは、ぼくのことを嫌いになるかもしれない。
そう思うと、とたんに顔が真っ青になる。
手紙を渡してくれと頼まれたのに、取っ組み合いをしてきてしまったのだ。
そしてべにちゃんはふられてしまった・・・。ネクタイははっきりと、べにちゃんには興味がないといったのだから。
いろいろ考えて、考えれば考えるほど、ぼくはべにちゃんに嫌われるに違いないと思った。
夜、ぼくはまくらに顔をうずめて、えんえん泣いた。