春を泳ぐヒカリたち(6/11) 文・高橋友明 顔中、絆創膏(ばんそうこう)だらけ、まくらにうずめると痛かったが、そんなの気にはならなかった。悲しみと後悔の方がよっぽど痛く胸をえぐった。 えんえん、えんえん、止めどもなく泣いた。 うずめたまくらの向こうに真っ暗闇が見え、ぼくはその底のさらに深い闇を目指して沈みつづけた。 真っ暗闇のなかで、ぼくは嫌な気持ちにおそわれた。 ――みんな全部、なくなってしまえばいいと思った。べにちゃんの恋心もぼくの片恋も、なにもかも、なくなってしまえばいいと思った。 2 / 2«12