顔中、絆創膏(ばんそうこう)だらけ、まくらにうずめると痛かったが、そんなの気にはならなかった。悲しみと後悔の方がよっぽど痛く胸をえぐった。
えんえん、えんえん、止めどもなく泣いた。
うずめたまくらの向こうに真っ暗闇が見え、ぼくはその底のさらに深い闇を目指して沈みつづけた。
真っ暗闇のなかで、ぼくは嫌な気持ちにおそわれた。
――みんな全部、なくなってしまえばいいと思った。べにちゃんの恋心もぼくの片恋も、なにもかも、なくなってしまえばいいと思った。
文・高橋友明
顔中、絆創膏(ばんそうこう)だらけ、まくらにうずめると痛かったが、そんなの気にはならなかった。悲しみと後悔の方がよっぽど痛く胸をえぐった。
えんえん、えんえん、止めどもなく泣いた。
うずめたまくらの向こうに真っ暗闇が見え、ぼくはその底のさらに深い闇を目指して沈みつづけた。
真っ暗闇のなかで、ぼくは嫌な気持ちにおそわれた。
――みんな全部、なくなってしまえばいいと思った。べにちゃんの恋心もぼくの片恋も、なにもかも、なくなってしまえばいいと思った。