春を泳ぐヒカリたち(7/11) 文・高橋友明 ぼくは何度も何度も、頭をひっぱたかれ、お尻をけっとばされ、舌を抜かれた。 わーっ! 声を出してぼくは起き上がった。 汗をびっちりかいていた。 ガラス窓を見て、確かめる。ゆれる群青色。 ここはぼくの部屋だ。 ぼくは夢を見ていたのだ。 頭とお尻と舌が痛いような気がした。もちろん何事もないが、どうしたって、感触が残っている。 夢の中のことを思い出すと、ぼくはまた泣いた。今日、三度目の涙。 『おまえは小竹紅緒に嫌われたのだ』 その通りだと思ったから。 4 / 4«1234