むかし、とても美しくて、とてもぜいたくな王妃さまがいました。
王妃さまは、1日、3着のドレスと3足のくつを作りました。それぞれのドレスを飾るのは虹色の真珠と色とりどりの宝石。くつときたら、ピッカピカの金でできていました。
お城には、毎晩、おおぜいのお客が招かれ、真っ白なテーブルクロスに銀の食器で、香ばしい肉だの、新鮮な魚だの、果物だの、たいそうなごちそうをたらふく食べました。それから、楽士たちの愉快な音楽に合わせて、キラキラのシャンデリアの下で、夜がふけるまで踊るのでした。
王さまは、美しい王妃さまのために、どんなぜいたくな願いもかなえてやりました。それにはたくさんのお金が必要です。そこで、王さまは、国の人々に、とても高い税金をかけました。それでも足りないので、戦争に出かけては、まわりの国々から財宝を奪い取りました。まわりの国々にしてみたら、大そうな迷惑です。
そんな王さまと王妃さまには、長い間、子供がいませんでしたが、ある年、とうとう、玉のように可愛い女の子が生まれました。アウロラと名付けられた王女さまは、たくさんの召使いにかしずかれて、何不自由なく、すくすくと育って行きました。