「フウ、ネットでウメボシの作り方を見つけたわ」
よういするものはウメ、シオ、赤ジソ、おひさま、夜の風。
「しんじられない。それだけでウメボシができるの?」
「おひさまと夜の風? わからないけど、やってみようか」
ぼくとお母さんは、ひとばんウメを水につけた。
つぎの日に、ひとつひとつフキンでふいた。
はなのおくが、すうっとした。
キャンデーみたいだ。
でもナマで食べちゃいけない。
「入れものに、ウメとシオを入れたら、石をのっけて・・・」
しばらくすると、ウメから水が出てくるらしい。
「シオが多すぎる。しょっぱいウメボシなんか食えるか」
じいちゃんが、のぞきこんで、どなった。
「うるさいなあ」
ほんとうはドキっとした。
いっしゅんだけ手がすべって、シオがドバッと入ってしまったんだ。
食べられなくなったら、どうしよう。
なんだかもう、キッチンに入りたくない。