2億4000万分の一のキセキ!(5/11)

文・ニケ  

ミリンダはブランコを飛び降りて、
「ハッピーバースデー♬」
と歌いながら砂の上にカレンダーを書き始めました。そして、4月20日に丸をつけ、
「ユー?」
と聞きました。ソラは10月3日生まれなので、砂のカレンダーに○をつけました。
「オクトーバー!」
とミリンダ。
「オクトーバー?」
とソラ。ミリンダは「アハァン」とうなづき、自分が丸をつけた4月をさしてこう言いました。

「エイプリル!」
「エイプリル! エイプリル・フール!」
「イエア!(日本にもエイプリル・フールがあるのね!)」
ソラとミリンダはそのあとも、砂に絵をかいたり、ジェスチャーをしながらおしゃべり続けました。ソラはミリンダがソラの言葉を、いっしょうけんめい聞いてくれて、とってもうれしくなりました。

パパが言っていたとおりです。「聞くこと」の大切さがわかりました。そして、それと同じくらい「相手に伝えたい」という気持ちの大切さも学びました。
「ミリンダ、フレンド?」
ソラは手を出しました。
「オブコース! ソラ、マイフレンド!」
ミリンダはソラをハグしました。

その時です。
バリバリバリバリ、ドッカーン!
遠くからカミナリの音が聞こえてきました。たちまち空が真っ黒になり、大きなサイレン音が鳴りひびきました。目を白黒させるソラ。
「ソラ、(帰ろう!トルネードよ!)」
ミリンダはソラの手を引張り、走りだしました。

ニケ について

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(学術博士)。読んだ人がちょっとだけハッピーになる言葉を奏でます。