ビバ・ネバル!(3/6)

文と絵・高橋貴子

日がくれた。ぼくはねむっていた。ゆめの中でぼくはネバネバダンスをおどっていた。くるくる回るごとに糸がまわりの人にからみついていく。
ほのちゃんもいる。ほのちゃんのお父さんお母さんもいる。イモムシやアリたちもいる。みんな大声で歌いながら、ぼくの糸をドレスのようにからだにまきつけていた。

ネバ ビバ ネバル
ビバ ネバ ネバル
ネバ ビバ ネバル
ビバ ネバ ネバル!

だれかがさけぶ。
「ビバ・ネバル、きみのねばりはさいこうさ!」
ああ、ぼく生まれてきてよかったなあ。
そうおもったところで、とつぜんからだががくっとゆれた。ぼくは目をさました。

高橋貴子 について

(たかはし たかこ)米国・オレゴン大学国際関係学部卒業。外資系企業に勤めながら、子どもの本について考えています。子どもが作りたての小説を真剣な目で読んでいたのが最近の一番嬉しい出来事です。第3回講談社フェーマススクールズ絵本コンテスト講談社児童局賞受賞。