「はぁ・・・はぁ・・・こ、こわかった。カエルとかヘビとか、きらいよ。ヌルッとしてて」
ペタリとすわりこみ、いきをととのえます。
「でも、こまったわ。にんげんあじのアイスのこと、きけなかった。どこにあるのかしら」
「にんげんあじの、アイス? なんだそりゃ、うまそうだな。くってみたい」
すぐそばで、べろりん、と大きなしたなめずりがきこえました。
ライオンです。
レナは、ライオンのオリのまえに、きていたのです。
「おれ、にんげんは、くったことないんだ。いっつも目のまえを、ウロウロしてるのに、オリがあるせいで、手がだせん。どんなあじかなぁ。アイスでもいいから、くってみたい」
「それがねぇ。どこにあるのか、わからないの。あのね、パパが、ゴリラになっちゃったの。ゴリラあじのアイスを、たべたのよ」
「ゴリラあじ? そんなの、どこにあるんだ?」
「ゴリラのオリのそばよ。そこでうってるアイスが、ゴリラあじになっちゃったの」
「なぁんだ。じゃあ、はなしはかんたんだ」
ライオンは、大きなまえあしを、ポフンとうちならしました。