つなぐ(1/10) 文・藤 紫子 おじいさんは小鳥たちの声で目をさましました。 「ずいぶん寒くなったものだ。だが、今朝は起きねばな」 葉が赤や黄色に色づくようになったこのごろは、目ざめても、布団のなかでしばらくぬくぬくしています。 けれども、今朝はちがいました。 おじいさんはすぐに起きだし、ストーブに火をつけ、ご飯をすませ、スーツに着がえ、でかける用意まで終わらせました。 1 / 3123»