日はてっぺんまで昇り、丘をひなたでいっぱいにしました。
今日も丘の上はいつもの通りに日が過ぎるはずでした。
しかしそうはなりませんでした。
丘の上に人間の子どもがやってきたのです。
男女2人ずつの4人です。
4人は野原に出るととたんにイチョウのほうへ走り出しました。きゃーとかいちばーん!とか元気な声をだしながら。
イチョウのふもとは自分の落ち葉でまあるく囲まれていました。そこだけ金色の妖精(ようせい)でも飛んでいるようにチカチカと輝いて見えました。
秋色のイチョウ(2/4)
文・高橋友明