秋色のイチョウ(2/4)

文・高橋友明  

日はてっぺんまで昇り、丘をひなたでいっぱいにしました。
今日も丘の上はいつもの通りに日が過ぎるはずでした。
しかしそうはなりませんでした。
丘の上に人間の子どもがやってきたのです。
男女2人ずつの4人です。

4人は野原に出るととたんにイチョウのほうへ走り出しました。きゃーとかいちばーん!とか元気な声をだしながら。
イチョウのふもとは自分の落ち葉でまあるく囲まれていました。そこだけ金色の妖精(ようせい)でも飛んでいるようにチカチカと輝いて見えました。

高橋友明 について

千葉県柏市在中。日本児童教育専門学校卒業。 朝昼晩に隠れているその時間ならではの雰囲気が好きです。やさしかったりたおやかであったり、ピリッとしていたりする。 同様に春夏秋冬や天気や空模様も好きです。 そうしたものを自分の作品を通して共感してもらえたら幸いです。