『にじゅうおくこうねんのこどく』
谷川俊太郎 詩 塚本やすし 絵
小学館 2021年11月刊
今回紹介するのは詩人であり、絵本作家でもある谷川俊太郎さんの詩を絵本にしたものです。
この絵本は谷川俊太郎さんが21歳の時に刊行された初めて詩集「二十億光年の孤独」と同じタイトルで、特に思入れの深い詩に絵をつけられた印象深い作品でもあります。
私は学生時代から谷川俊太郎さんの作品に触れ、谷川さんが紡がれる言葉の数々に特別な何か、惹かれるものを感じてきました。
詩の言葉には言葉以上の含みや重みがあり、その一つ一つと向き合う中で想像力をかきたてられ、心で感じ、咀嚼して腑に落とす。そんな特別な体験ができるのが、詩の持つ豊かさであり、楽しみですよね。
私はこの詩を初めて読んだ時、塚本さんが描くユニークな絵と相まって、そこにユーモアを感じ思わずクスっと笑みがこぼれてしまいました。
塚本さんの描くインパクトの強い作風と谷川さんの繊細な詩が絶妙に溶け合った素晴らしい作品なのです。
宇宙の中になぜかラーメンが登場していくるという設定。それがまたこの詩に新たな世界観、面白みを与え一層楽しませてくれます。(次ページに続く)