チャン! チャン! チャン! チャン! チャン小熊ねずみー!(6/7)

文・くまもり こぐま  

<その6>
「ではお先に。水が引くころはバスも真っ白になっていることでしょう。みなさんも私につづいてください」
イノシシのうんてんしゅさんが、ほしイモをおでこにのせてバスをおりました。
そして川の中に入って行きました。

川に入ると、イノシシのうんてんしゅさんは目をとじておよぎ出しました。
スイスイスーイ。
とても気もち良さそうです。
「チャン小熊ねずみ君はおよげるのかな?」
ヤマネのおじさんがたずねました。
「いいえ」
「じゃあ、私のまねをするといいよ。私の大こんが、君のボールさ」

「ヤマネのおじさんがチャン小熊ねずみちゃんにおよぎをおしえてあげるのならば、私たちはお先に行きますね」
アナグマのお母さんは開いたカサをさかさにして川にうかべました。
そしてカサの中におくるみに入った子どもたちとのりました。
カサはアナグマのおや子をのせて、ボートのようにゆうがに川を進みました。(次のページに続く

くまもり こぐま について

東京生まれ。旅行誌のライターを経てシナリオを書き、その後子供の頃からの夢であった児童文学作家を志しました。童話コンクールで賞をいただいたことをきっかけに、子供だけでなく、大人の心にも寄り添うような作品を書けるようになれたらと思っています。ほのぼのとしたかわいい作品だけでなく、心に迫るような現実を取り扱う作品も書いてます。どうぞよろしくお願いします。