『ミルクが、にゅういんしたって?!』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)

◆書きだす前にキャラクター設定をしっかりとしておく

――登場人物のキャラクター設定が重要と言われます。野村先生が登場人物のキャラクターを考えるとき、大切にしていることは何でしょうか?

わたしの作品には読者が憧れるようなカッコいい人物は登場しませんね。個性的であっても平凡であって、読者が親しみを感じてほっとするような人物ばかりです。これは作家の好みなんでしょう。
当たり前のことですが、キャラクターを考えるときに大切なのは、その作品に合ったキャラクターにするということでしょうか。奇想天外なストーリーにはそれなりの主人公が必要ということです。

もうひとつは、書きだす前にキャラクター設定をしっかりとしておくということです。これがいいかげんだと、書いている途中でキャラクターがブレてきます。作者の都合のいいように人物を動かしてしまうんですね。そうすると、とたんに読者は違和感を覚えます。この主人公がこんなことを言うはずがないとか、こんなことをするはずがないと。(次ページに続く