開いてみます。
「第3問をまちがえたあなたは水そうにつかまります。水そうのガラスを割って出るには、竜の玉が必要です。さあ、『竜のどうくつ』に入って、竜の玉を手に入れましょう・・・だって」
「わかった。なら、マップ、開いてみて。『竜のどうくつ』がどこにあるか、見てくれ」
大介の声は、しっかり、落ち着いています。
「うん。今度はマップ、マップ・・・と」
美里が「マップ」のアイコンをおすと、最初に見た建物全体の見取り図が飛び出しました。
美里はそれを上下、左右に指ですべらせ、くるくる回して確かめます。
「ええと、ここがうらしま館の入り口、これが水そう。大ちゃんのいるのはこのあたりね。あ、やっぱり、あった、大ちゃんのアイコン!」
見取り図には、他にも、いろいろなイラストやアイコンがちらばっていて、そこをクリックすると、実際の映像が出る仕組みでした。
「このあたりにいるのはイシダイやフグ。その下は・・・」
美里は画面を下に向かってスライドさせて行きます。
「ウミウシ、タコ、クラゲ、カニ・・・。えっ、ダイオウイカ! リュウグウノツカイ?」
そして、ついに『竜のどうくつ』というイラストを見つけ、そこをタップすると、どうくつの暗がりに長い生き物が丸まっている映像が出ました。
「見つけたよ、大ちゃん! ずっと下だよ」
その時、
「プィン。では、道具をお選びください」
と、今ごろになって、ガイドの声が入り、画面に道具のイラストが並びました。
「道具ってこれ? 酒だる、つるぎ、人魚? どれを選んだらいいの?」
「もちろん、つるぎや!」
スピーカーから大介のいさましい声。
美里がつるぎをタップすると、とたんに、ピカピカのつるぎを手にした大介が「竜のどうくつ」に向かって、まっすぐにもぐっていく映像になりました。
「がんばれ、大ちゃん!」