ふしぎなぴりーこぱん(6/7)

文と絵・エンプティ・オーブン

「それじゃ、そろそろバイバイしよう」
ぴりーこぱんは、時計のまえにふわっとうきあがった。
ハートちゃんとキャンディーチーズくんもそれにつづく。

「ぴりーこぱん、さいごに一つだけききたいんだけど」
時計の中へ入っていくぴりーこぱんにむかって、あんこちゃんはさけんだ。
「どうして、わたしのところにあそびに来てくれたの?」
ぴりーこぱんたちのすがたは、もう見えなくなってたけれど、かすかにこう聞こえた気がした。

「・・・あんこちゃんが、なんだかさびしそうだったから」

「ありがとう、ぴりーこぱん。またあそぼうね」
あんこちゃんは時計にむかって、しずかに言った。

エンプティ・オーブン について

1985年埼玉県生まれ。子供のころから本が好きで、自分でも絵本を作ったり、マンガを描いていました。二児の母になってからは、わが子に読み聞かせるための絵本を作ってきました。小学校の読み聞かせボランティアにも参加しています。娘がが小学生になるのを機に、童話を書き始めました。たくさんの人に楽しんでもらえるお話を書きたいです。