つぎに　かみさまは、タカの　ところへ　いった。
と、タカの　ふうふ、はねを　かきむしって、くやしがっている。

「これこれ、どうしたのじゃ。のぞみどおり、とくべつはやいこが、 うまれたというのに」
「おお、かみさま。このこは、そりゃぁもう、めを　むくほど　はやいのに、 トリンピックなんか、でたくないと　いうのです」
「だぁってぇ。いまどき、トリンピックなんて、はやらないよ。 それよか、おれっちは、アイドルに　なりてぇのさ。どうせなら、とびっきり、 おとこまえに　してくれりゃ、よかったのにさ」

タカの　こども、かがみを　のぞいて、せっせ、せっせと、おけしょうばかり。
「うう。わがこの　きんメダルは、ぼくらの　ゆめだったのに。そらも　とばずに、 けしょうなんかして。ぼくらは　もう、なさけなくって、なさけなくって・・・」

タカは、また、はねを　かきむしりはじめた。
かみさまは、なぐさめることもできず、そっと　そのばを　たちさった。