「それは、あったぞ。担当は、助手1号の朝日輝だ。輝は、猫の写真を見るだけで、その猫がどこにいるのかわかる特殊な能力を持っているから、仕事も早い」
「と、特殊能力!」
そんな凄い人財がいらっしゃるなら、猫捜しの方法なんて、猿神さんに伝授してもらうこともない! 楽勝だ!
「そうだ。輝は、その能力を『猫アンテナ』と呼んでいる。だが、なぜ、突然、猫捜しなんだ?」
「昨日、そこの電柱に捜し猫のポスターが貼ってありました」
「なんだ、依頼じゃないのか。だが、輝なら、ちょちょいのちょいで見つけ出す」
ちょちょいのちょい! だなんて!
ぼくは、なんて、ラッキーなんだ!
ぼくが、いま、ここにいるのは、どさくさに紛れてだとしてもここにいるのは、この朝日輝という人物に出会うためだったにちがいない!
「・・・あっ、でも、助手1号の輝さんは、海外に旅立ったんじゃ・・・」
「ああ。だから、もし、猫捜しの依頼があれば、担当は、助手2号のおまえってわけだ」
だろ? と猿神さんが、両目をつぶった。
その時は、それがウインクだとは、気づかなかった。