「にいちゃん。サンタさん、いるのかな」
「うん・・・。よく、わかんなかったな」
その夜、ぼくたちは、おふとんに入ってからも、サンタさんのことを考えていた。
「こうなったら、サンタさんを、つかまえるしか、ないと思うんだ」
ぼくは、心の中できめていたことを、つよしに言った。
「つかまえるの? サンタさん?」
「そう。そしたら、ほんとにサンタさん、いるだろ? だって、つかまえてるんだから」
「そっかぁ。そうだよねぇ」
つよしが、うれしそうに言う。
「ようし。つよし、いいか。今回は、しれいかんが、てきだ」
「しれいかん、てきなの?」
「そうだ。しれいかんは、きっと、サンタさんをつかまえるなんて、ダメって言うと思うんだ。えいがでも、あるだろ? しれいかんが、てきのこと」
大きな机にすわって、エージェントにしれいを出す、えらい人が、じつはてきだったってことが、えいがでは、よくある。
「だから、しれいかんに、見つからないように、サンタさんをつかまえる。いいな?」
「うん!」