「じろう、そんなところで、なにをしてるんだね?」
じろうのかえりがおそいので、しんぱいして、ようすをみにきたじいちゃんでした。
外はすっかり明るくなっています。
「ゴホンゾンサマと、はなしているんだ」
「だれもいないじゃないか」
じろうがふりかえると、おやしろの中はまっくらで、そこにはだれもいませんでした。
「じいちゃん、ぼくね」
じろうは、じいちゃんにこわい人のはなしをしました。
「ああ、それはたしかにゴホンゾンサマにちがいない。トムがおまいりにいったんで、山からおりてきなさったんだな。
きっとお金はおさいせんだ。護符はおまもりのことだよ。それより、そろそろあさごはんだ。おかあさんがちょっとおこってるぞ」