ブーッブー。
外でクラクションが鳴りました。
「あら、やだ! ダイアンよ!!!」
ママがさけびました。
「え! ホント??!!」
外を見るとダイアンのお父さんの車が止まっています。ドアがあき、ダイアンが降りてきました。足にはグルグルに包帯がまかれています。
「ダイアン!!」
ソラはあわててげんかんを飛び出しました。
「ソラ、何グズグズしてるの! 早く! あと15分しかないよ!」
「ダイアン、なんで? なんでいるの?」
ソラはダイアンの足をじっと見ました。
「ソラの応えんに決まってるじゃん!」
ダイアンは「応えん」に力をこめていいました。
「なんで? なんでなの?」
「私さ、ソラがいたからがんばれたんだよ。全然ジャンプできなかったのに、ソラはできるようになったでしょ? 私、すっごいはげまされたんだよ」
「なんで? はげましてくれたのダイアンでしょ?」
「あのさぁ〜、私、大好きなソラを応えんしたいんだけど、ダメ〜?」
ダイアンはひとなっつこい笑顔でソラをのぞきこみました。ソラの頭の中で、ダイアンが初めて声をかけてくれた時からのいろんな出来事が、めまぐるしくかけまわりました。
「2億4000万分の一のキセキだ!」ソラは心の中でさけび、ダイアンにだきつきました。
「ソラ、早く乗って! 急がないと!」
ダイアンのお父さんが大声で言いました。
「ほら、乗って乗って!」
パパがダイアンとソラをおしこみ、ドアをしめました。
「あとから追いかけるからね!」
「じゃ、あとでね!」
パパとママが大きく手をふっています。お兄ちゃんがブイサインをしています。ソラは窓を開けてさけびました。
「パパママ、お兄ちゃん〜〜! 早く来てね!! わたし、わたし、がんばる!!」