3日くらい前だったでしょうか。ミズ・タナーが「笑顔がいちばんステキな人を決めましょう!」と言いました。
「(みんなだれがいいと思う? みんなを楽しくしてくれるスマイルチャンピョンにふさわしいのはだあれ?)」
ミズ・タナーはじっくりとみんなをみわたしました。
「スマイル、スマイル、スマイル」
マイクが顔をクルクル回し、笑わせています。
みんなチラチラとおたがいの顔を見ています。すると・・・どこからともなく、
「ソラ」
「イエア! ソラ!」
「ソラ! ソラ! ソラ!」
「ソラ! ソラ! ソラ! ソラ!」
とソラコールがわきおこりました。
ダイアンも、ペイジも、リサも、マイクも「ソラ! ソラ!」と声をあげています。
「オッケー(じゃあ、みんな目を閉じて。ちゃんと閉じてよ〜)」
ミズ・タナーの号令で、こどもたちは目を閉じました。
「(ソラがいいと思い人は手をあげてください)」
教室は息の音だけになりました。
「オッケー(目を開けて)。スマイルチャンピョン、ゴートゥ・・・・・・ソラ!!」
そのしゅんかん、かん声とはく手がわきおこりました。ソラは全員一致でスマイルチャンピョンに選ばれたのです。
ソラは不思議な気持ちで、新聞をながめていました。夢のような気分でした。
「みんなソラの応えん団なんだぞ!」
パパがソラをだきよせました。
「ソラの応えん団?」
ついさっきまではれていたのがウソのように、ソラの目はキラキラしています。
「そうだよ。みんながソラ、がんばれ!って応えんしてくれてるんだよ。ソラは一人きりじゃないぞ。もう、悲しくないだろ?」
ソラは力強くうなづきました。何度も何度もうなづきました。
「パパ。ソラも・・・だれかの応えん団になれる?」
パパはねぐせのついたソラのかみの毛をグシャグシャしながら、こう言いました。
「もちろんだよ! ソラに応えんしてもらったら喜ぶ人、たくさんいるぞ!!」
ソラははじけるような笑顔で、パパによりかかりました。
「あら、ミリンダよ〜〜〜!!」
ママが窓の外をさして、うれしそうにさけびました。
ミリンダが新聞を高くかかげで、飛びはねています。
「ミリンダみてくれたんだ! ミリンダ〜」
ソラはものすごいスピードで、飛び出していきました。