チャン! チャン! チャン! チャン! チャン小熊ねずみー!(2/7)

文と絵・くまもり こぐま

<その2>
バスのまん中あたりには、ピンとのりのきいた白いぼうしをかむったアナグマのお母さんが、おくるみの中に3びきの赤ちゃんアナグマをかかえてすわっていました。
横にはきっちりまいた雨かさがありました。

一番後ろの広い席には、青々とした葉っぱのついたダイコンをまくらにして、まるくなってねむるヤマネのおじさんがいました。
ヤマネのおじさんは朝までどうろ工事の仕事をしていて、スズランびょういんのうら山にあるおうちにかえるところでした。

頭の下にある葉つきのダイコンは、おじさんがひとばんじゅうはたらいたおきゅう金としてもらったものでした。
「お客さん! バスの中ではボールつきはしないでくださいね」
イノシシのうんてんしゅさんがパリッとした声で言いました。
「ボールがころげたらきけんです。ほかのお客さんのごめいわくになりますからね」
(しかられちゃった)
チャン小熊ねずみの心ぞうがもっとドキドキしてきました。
(またしかられたらどうしよう)
チャン! チャン! チャン! チャン!
(ボールをつくのをやめなくちゃ)
そう思うものの、ボールつきはやめられません。(次のページに続く

くまもり こぐま について

東京生まれ。旅行誌のライターを経てシナリオを書き、その後子供の頃からの夢であった児童文学作家を志しました。童話コンクールで賞をいただいたことをきっかけに、子供だけでなく、大人の心にも寄り添うような作品を書けるようになれたらと思っています。ほのぼのとしたかわいい作品だけでなく、心に迫るような現実を取り扱う作品も書いてます。どうぞよろしくお願いします。