むかし、むかし、 あるところに、小さな小さな村がありました。
村には、小さなほこらがあってそこには神様が大切にまつられていました。
村では、年に1回お祭りをし、この1年たくさんのお米が取れたことに感謝をして、たくさんのおそなえものを、神様にさしあげます。
今日はそんなお祭りの日でした。
村人はたくさん取れたお米を神様に食べてもらおうと、せっせせっせとおにぎりをにぎっていました。
なにせ、この村の神様は大のおにぎり好き。
村人をあげての大仕事です。
子供たちはおおはしゃぎで、じゃまをしては大人たちにおこられていました。
そんな、みんながバタバタしているときでした。
「ビュー、ビュビュビュ~」
とても強い風が村人をおそいました。
「あれぇ~!」
だれもが、服やかみをおさえていたその時、ひとつのおにぎりが風にあおられてコロンコロンと、転げてしまいました。